倫理の本棚ブログ

倫理研究所の出版物をご紹介します。

実践のヒント

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丸山敏秋著
新世書房/定価¥1,000(税別)
B6判 256頁

 

「衣食足りて礼節を知る」とは、
有名な『管子』の言葉ですが、
物質的な豊かさに恵まれた日本は、
はたして礼節に満ちているといえるのでしょうか。

多くの国民は、恵まれていることへの感謝よりも、
さらなる欲望の充足に余念がないばかりか、
得体の知れない閉塞感や焦燥感すら抱いているのが現実ではないでしょうか。
是正すべき原因は数多くあるでしょうが、
自分自身の心のありようや、
行動の仕方にもあることを忘れてはならないと著者は訴えます。

 

 人生の主役は自分自身、その自分を主体的に動かすのは心にほかなりません。心の持ち方が、人生を創造するのです。
 日常生活で自分の心を見つめる習慣をつけていくと、心の持ち方と周囲の出来事とが密接に関わっていると気づくでしょう。そして「明朗」「愛和」「喜働」がまことに正しい実践の指標であると再確認できるでしょう。
 「心の時代」は、まず自分の内側にもっと目を向け、心を大切にして生きることで拓かれていきます。日々、ダイナミックな心の動きをしっかり見つめ、真心を込めて実践に励み、しなやかな心を育てようではありませんか。(「心の持ち方が人生を左右する」より)

 

実践とは「純粋倫理」と呼ばれる生活法則に即した思いや行ないです。
自分自身の内側を見つめ、そこで得た気づきを実際に行なうことで、
不自然な生活態度を改め、自分を磨き向上していくことを指しています。

著者は、日本の現状を「大いなる憂い心」で見つめ、
解決の糸口は、純粋倫理の真摯な実践にあるとして、
そのポイントとヒントを21篇にまとめました。

そこに通底している大きな特色は「苦難を嫌わない」という心の姿勢です。

 

 純粋倫理では、苦しみの意味をもっと積極的にとらえます。
 日常的な苦難の原因は、自分中心のわがまま勝手な思い、行ないにほかなりません。わがまま勝手は、世の中の秩序を乱します。それは自然の法則からはずれたことなので、「このままではよろしくありませんよ」と、ストップの赤信号を意味する苦難が自然に起こります。
 ですから自分の不自然な思いや行ないを改めていく実践に励めば、苦難はおのずから解決されるのが道理なのです。
 その正しさは、過去の無数の体験が証明しています。のみならず、苦難を克服したときには、それまでよりも一段とレベルアップした自分を発見できる喜びが味わえるでしょう。そこに学びの醍醐味があります。
(「苦難を『よし』と受け止める」より)

 

身に降りかかる苦難を嫌わず、
自分自身を向上させるチャンスと受け止め、
喜んで実践に励むことができるかどうか。
あらゆる問題の解決の糸口はそこにあります。

本書を通して、自分を磨き高めることのできる場は、
極めて身近な、私たちの日常の中にこそあるのだと気づき、
豊かな人生への一歩を踏み出していただくことを願います。

 

《目次より》
「よりどころ」を見失った日本人
今日の生き方が未来を創る
苦難を「よし」と受けとめる
出会いが運命を拓く
心の持ち方が人生を左右する
エゴウィルスの予防法
自分の「壁」をいかに越えるか
機械的な人生からの脱皮
捨てる勇気、捨てない智恵
清黙のすすめ
聴く力が人を育てる
たとえこの世は理不尽でも
天災への三つの備え
明治人の気概に学ぼう
ハラを据えて実践する
善意かならずしも善ならず
真の理解は共感の心から
「敬」の心を言葉で磨こう
GNHを目指す国に学ぶこと
これからの世界を倫理がつなぐ
取り戻したい「畏れ」の心

 

倫理研究所ホームページ内

倫理の本棚(オンラインストア)」で販売しています。

「心を探る」生き方リサーチ⑤ 日本人の底力

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倫理研究所
倫理研究所/定価 ¥500(税込)
B6判変形 80頁

 

「日本人らしさとは?」と聞かれたら、
あなたは何と答えますか?
「勤勉」「実直」「親切」「謙虚」「曖昧」「協調的」など、
日本人を評する言葉はたくさんあります。
納得できるものもあれば、
昨今の風潮をみると首を傾げたくなるものもあるでしょう。
実際、私たちはどのくらい「日本人」のことを知っているのでしょうか。

倫理研究所では「日本人らしさとは何か?」というテーマで、
10代から60代の日本人1,123人を対象にアンケート調査を実施、
その結果を本書にまとめました。
調査にあたっては、
日本人の気質、価値観、世界観、倫理観を100のキーワードに落とし込み、
①実感度(日本人全般に「当てはまる」と考えるもの)
②合致度(自分も「当てはまる」と考えるもの)
③重視度(今後も守るべきと考えるもの)
に分けて質問しています。

その結果、日本人として守るべき資質が見えてきました。

 

実感度、合致度、重視度から分析される「日本人の美点」ランキング

 第1位 …… 盗みを嫌う

 第2位 …… ものを大切にする

 第3位 …… 礼儀正しい

 第4位 …… 人に優しい/親切

 第5位 …… 伝統を大切にする

 第6位 …… 規則を守る

 第7位 …… まじめである

 第8位 …… 欺く、裏切る、嘘をつくことを嫌う

 第9位 …… 使命感、責任感が強い

 第10位 …… 誠意や誠実さを重視する

(ランキング「守るべき資質」より)

 

本調査は東日本大震災が起こる1ヶ月前に実施しましたが、
「盗みを嫌う」「礼儀正しい」「人に優しい」「誠意や誠実さを重視する」など、
震災時に世界から賞賛された国民性は、そのまま調査結果にも表われています。
外国が見つめた日本人の美点は、日本人も美点としてとらえているようです。

 

 しかし、その一方で、誰もが感じてきた「日本人らしさ」に翳りが差し始めているという現実もおさえておかなければならないことではないでしょうか。意識の上では日本人はかくあるべきものと思いつつも、現実の生活の上では、それとはるかに乖離した日本人の実態がある。じつはそこにこそ今の日本が抱えている問題があるといってもいいかもしれません。(「エピローグ」より)

 

本書では、歴史・文化・伝統の要素にも焦点を当て、
海外の視点や、日本が生んだ歴史上の偉人たちの姿、
皇室の存在や日本人の神観などを紐解きながら、
日本人の美点に限らず、
弱点とも言える「変えるべき」気質や性質についても考察しています。

日本人の特質と通底する精神とは何か。
そして、未来に資する日本人像とは何か。

調査で得られた客観的な数値に照らして探ります。
ご一読ください。

 

《目次より》

プロローグ
   日本人ってダメなの?

日本人に訊いた「日本人とは?」

日本人らしさって、なに?
   日本人意識の背景考察

祈りの存在としての皇室

八百万の神と日本人

伝えたい、尊敬される日本人

日本人も驚く、海外の日本人評価

日本人堕落論

日本人の課題・改善点

エピローグ
   日本人の「私」がどうあるべきかを問え

 

 

倫理研究所ホームページ内、
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すくすく赤ちゃん りんりの育児② 乳児編

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倫理研究所
新世書房/定価¥1,000(税込)
A5判 58頁

 

「りんりの育児」シリーズ第2弾は「乳児編」です。
赤ちゃんの健やかな成長を願う、新米ママとパパへ向けて、
心の支えとなり、子育てに役立つヒントに満ちた言葉をお伝えします。

 

赤ちゃんは、両親にも社会にも、
元気や希望を与えてくれる無限の力を持っています。
自分で何もできない赤ちゃんは、とても手がかかりますが、
その大変な育児を通して大切なことに気づかされ、
多くのことを学びとっていくのです。
(「はじめまして赤ちゃん」より)

明るく希望に満ちて育児に当たりましょう。
赤ちゃんが元気に成長するようにと願い、
大らかな強い心を持ってください。
消極的な心では、
わが子をたくましく育てることはできません。
大変なこと、悲観的な話に惑わされず、
まず「順調にいく」と信じることから始めましょう。
(「“未来”を育てるお母さんへ」より)

お母さんは、子育て以外に、お父さんの
両親との関わりにも神経を使うものです。
お母さんと、お舅さんやお姑さんの間をうまくつなぐのも、
お父さんの大事な役割です。

お父さんは光となって、お母さんをあたたかく包み、
進む道を照らしてあげましょう。
(「お父さんの支える力」より)

やさしく穏やかな気持ちで育てると、
子どもはやさしさを覚えます。
いらだって接していると、
子どもは人に対して過敏になり、落ち着きがなくなります。
親の不自然な心づかいや無理な行ないによる
マイナスの影響は、かわいくてしかたのない子、
大事に育てた子にほど、強く出てしまいます。
(「親と子のつながり」より)

赤ちゃんを連れて散歩をしていると、
近所の人やいろいろな人に声をかけられることがあります。
そういうときに、お母さんは、
笑顔であいさつを返したり話したりしましょう。
赤ちゃんは、そんなお母さんの姿を見ているうちに、
新しい外の世界に向けて心を開いていくのです。
(「外へ連れて行きましょう」より)

 

倫理研究所創立者である丸山敏雄は、
自らの育児体験と豊富な指導体験をもとに、
1951年に『育児の書』を著しました。
本書は、そのエッセンスを現代風にアレンジし、まとめたものです。
平易な文章に心温まるイラストを添えて、
乳児期の子を持つママやパパにエールを送ります。

ご一読ください。

 

 《目次より》

・はじめまして赤ちゃん
・お母さん、お父さんへのメッセージ
・親と子のつながり
・すくすく赤ちゃん
・大きな心で育てましょう
・ときにはゆったりと
・授乳と離乳

 

倫理研究所ホームページ内、

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