「心を探る」生き方リサーチ② あなたも私も継承者
倫理研究所編
倫理研究所発行/定価 ¥500(税込)
B6判変型 60頁
かつての日本では、
「家」は祖先を尊び、脈々と受け継がれてきた「系」を重視するものでした。
ところが、戦後、西洋型の個人主義が広まったことで、
日本人の「家」に対する意識は大きく変わりました。
「私(個人)の自由」が優先されたことにより、
一人ひとりが「家」に縛られずにやりたいことをやり、
生きたいように生きるのが望ましいという風潮が生まれました。
一方そうした風潮にともない、
伝統文化や伝統工芸、農業、事業、家業などにおける、
後継者問題が深刻化しています。
現代の日本における「家や家業、家督の継承」は、
実際、どのような状況を迎えているのでしょうか。
本書は、「家の継承」について、
いまの日本人はどう考えているのか、
「誰が」「何を」継ぐのだと思っているのかを検証すべく、
2,400人へのアンケート調査を実施し、
その結果を考察したものです。
例えば、「家は誰が継承するのか?」については次のような結果が出ています。
【親世代/子世代】
長子・長男・長女・子供………44.3% / 39.6%
男子・長男・息子………………41.7% / 51.0%
自分・私…………………………8.6% / 5.1%
その他……………………………5.4% / 4.4%
また、「家は何を継承するのか?」では次の結果となりました。
【親世代/子世代】
家屋・土地・不動産・財産…………39.7% / 28.6%
家業・仕事・店・商売………………15.2% / 32.3%
墓・仏壇・仏具………………………12.7% / 6.9%
家系・家督・血筋……………………9.5% / 3.2%
名前・苗字・氏・姓…………………9.0% / 12.9%
伝統的なもの・先祖からのもの……4.8% / 3.8%
親の面倒………………………………0% / 3.6%
その他…………………………………9.6% / 8.6%
親世代、子世代ともに「家は子供が継ぐ」が一般的な認識であり、
〔家屋・不動産・財産〕などの「有形資産としての家」が、
多くの日本人が考えている相続の対象のようです。
ところが、〔家系・家督・血筋〕と、
〔名前・苗字・氏・姓〕という項目では数値が逆転していることから、
家系や家風といった「無形資産としての家」への思いには、
世代間で差異があるようです。
本書では他にも、
「継承という認識はどこから来るのか?」
「家は継承すべきか否か?」
などのアンケート結果を検証するとともに、
体験事例を挙げながら「継承問題の今」を考察しています。
「継がれる家」の実態と「継ぐ私」のその思いを調べていくと、
少子化や晩婚化、多様化するライフスタイルなどにより影響を受けるも、
「家の継承」とは、大切なものを後世に引き継ぐことであり、
すべての人に課せられた役割であることに気づかされます。
ぜひご一読ください。
《目次より》
プロローグ
継がれる家。継ぐ私。
2,400人の日本人に継承について聞きました
家の継承とは何か?
家は誰が継承するのか?
家の何を継承するのか?
継承=相続という認識はどこから来るのか?
家は継承すべきか・否か?
コラム
継承意識のいま
「継承意識」はどう作られるか
体験事例に学ぶ「継承問題」
夫婦がひとつになって成就した「家と事業」の継承
結婚19年目にして夫が養子縁組となった経緯
「継承」への執着を手放したら、事態が好転
談話
継承の大切なポイント
コラム
型を継承する
エピローグ
あなたも私も継承者
倫理研究所ホームページ内
「倫理の本棚(オンラインストア)」で販売しています。