「心を探る」生き方リサーチ④ 日本人のゆくえ―倫理意識を通して
倫理研究所編
倫理研究所/定価 ¥500(税込)
B6判変形 60頁
日本はいま、
政治、経済、安全保障、伝統、文化など様々な分野で危機に直面しています。
なかでももっとも危惧すべきなのは、
“倫理”の分野ではないでしょうか。
しかしながら、日本人の倫理意識の変容については、
具体的に検証し、
データ化することは、これまでなかったといっていいでしょう。
そこで、倫理研究所では、
日本に留まらず、各国の倫理や道徳なども視野に入れながら、
古今東西の倫理観を25の項目〈倫理25〉にまとめあげ、
1,200人を対象にその共感度を測定する調査を実施しました。
2005年と2010年の2回にわたりリサーチしデータ化することで、
詳細な日本人の倫理観とその変容が見えてきました。
調査結果から見えてきた、〈今も守られている倫理観〉とは何か、あるいは〈多くの人が意識しなくなった倫理観〉とは何か。そうした結果の背景にはどのような要因が隠されているのか。本書はそうした疑問についてできる限りわかりやすく解説することを目的に書かれました。
(プロローグより)
〈倫理25〉の紹介
1.父母を敬うこと
2.祖先や神仏を大切にすること
3.妻や夫を尊重すること
4.兄弟姉妹は仲良くすること
5.目上の人を尊敬すること
6.礼儀正しくあること
7.冷静であること
8.思いやりをもつこと
9.勤勉であること
10.和を重んじること
11.他人を信じること
12.他者を尊重すること
13.物を大切にすること
14.困難を喜ぶこと
15.嘘をつかないこと
16.決断するべきときに決断すること
17.実行するべきときに実行すること
18.自分を信じること
19.希望を持つこと
20.勇気を持つこと
21.節制をすること
22.広く多く学ぶこと
23.主体性を持つこと
24.他を羨まないこと
25.命を尊重すること
〈倫理25〉への「個人的共感度」「社会的重要度」「個人的実践度」の三つを軸に調査した結果、共感度の高いものは以下のようになります。
「個人的共感度」
1位 礼儀正しくあること ……2005年 91.8%/2010年 94.6%
2位 父母を敬うこと ……2005年 89.1%/2010年 91.9%
3位 命を尊重すること ……2005年 88.5%/2010年 92.5%
「社会的重要度」
1位 礼儀正しくあること ……2005年 91.3%/2010年 94.8%
2位 命を尊重すること ……2005年 88.3%/2010年 92.2%
3位 父母を敬うこと ……2005年 87.4%/2010年 91.6%
「個人的実践度」
1位 礼儀正しくあること ……2005年 80.5%/2010年 79.7%
2位 命を尊重すること ……2005年 74.7%/2010年 79.2%
3位 思いやりを持つこと ……2005年 66.3%/2010年 68.8%
一方、押し並べて「他人を信じること」「他者を尊重すること」「困難を喜ぶこと」などの共感度が低いことが分かりました。
他にも、男女別、年代別などの詳細な調査・分析結果が綴られています。
日本人の倫理観をさらに高める必要性が叫ばれている現代社会において、
倫理観のどの部分が「危機」にあるのか、
その危機を脱するために、私たちは何を拠り所にして、
何に取り組むべきなのか。
本書は日本人の倫理観の現状を俯瞰し、客観的な指標を示しながら、
21世紀のあるべき日本人像について考察しています。
《目次》
プロローグ
日本人のいま
第一章 調査を分析してみる
〈倫理25〉の紹介
25項目と3軸の理由
〈倫理25〉の紹介時系列比較
個人的共感度のデータ
個人的共感度を時系列に分析
社会的重要度のデータ
社会的重要度の時系列分析
個人的実践度のデータ
個人的実践殿時系列分析
第二章 これからの方向性を探る
調査結果から見えてきたこと
10代の倫理性について
30代~40代の意識の特徴
50代以上の世代の特徴
「祖先神仏を大切に」が上昇傾向にある背景とは?
「他者を尊重すること」の本当の意味
「万象我師」を考える
コラム
日本の型(文化)が消えかけている
人は環境の生きものだから
エピローグ
私には何ができるか
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