倫理の本棚ブログ

倫理研究所の出版物をご紹介します。

恩の倫理―生かされて今がある―

皆さんこんにちは。

今日は『恩の倫理』をご紹介します。

 

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『恩の倫理―生かされて今がある―』
倫理研究所
新世書房/定価¥900(税込)
新書判 226頁

 

21世紀は「個の時代」だとよくいわれます。

教育、ビジネス、スポーツ、娯楽などあらゆる分野において、
個人の能力・権利・価値観などを重視する風潮が高まっています。

 
しかし、行きすぎた「個」の偏重により、
他者との「つながり」が軽視され、
「自分だけの力で生きていける」
「自分さえよければ」
といったエゴイズムが蔓延している現代社会では、
忠孝や孝養、大自然への畏敬といった、
恩意識が希薄になったきらいがあります。

 
愛社精神や親孝行の大切さ、
仰げば尊しわが師の恩”などは、
もはや古い価値観として蚊帳の外へ追いやられ、
ほとんど語られなくなりました。

 
確かに「個」を磨き高めることは非常に大切ですが、
決して一人では生きられないのが人間です。
人や物、自分をとりまく多くの存在との「つながり」があって、
はじめて「個」が輝くのではないでしょうか。
そして、その「つながり」の最たるものが「恩」なのです。

 
家庭、学校、職場、社会など
あらゆる人間生活の基盤には“恩の倫理”が厳然として横たわっています。
恩とは何か、現代における“恩の倫理”とは何か。
本書では、様々な角度からこのテーマを探ります。

 

 私たちは一人の例外もなく、この世に生を受けてから現在まで何年、何十年、知る知らずにかかわらず、どれだけ多くの援助を受け、支えられて生きていたか計り知れません。太陽の温熱、空気や水など大自然の恩恵をはじめ、生命の糧である食物やその他無限の物によって今日まで生かされてきました。

 この真実にふれ、〈私の生命は、数えきれない恩の中に生かされているのだ。なんとありがたいことか〉という自覚に到ったとき、自然に、〈世のために尽くさずにはおられない、人のために働かずにはおられない〉という思いが湧き出して真の働きを生み出すのです。この働きを〝喜働〟と呼びます。また、恩の自覚からは真の愛情が湧いて、そこに〝愛和〟が生み出されます。さらに、この心境に達したとき、あらゆる雑念妄想は消え去って、明るく、ほがらかで、うるおいに満ちた心となってきます。この心情を〝明朗〟といいます。(本書p.220)

 

〝明朗(ほがらか)〟
〝愛和(なかよく)〟
〝喜働(よろこんでかたらく)〟
の三つを包含したものが〝純情(すなお)〟です。

この〝純情〟に生まれ変わることが、
私たち人間にとって最大最高の命題であり、
すべては“恩の倫理”の実践の上に成り立ちます。

 
多くの恩の中で生かされている自分をはっきりと自覚し、
報恩感謝の実践に徹することで、
あらゆる苦難から脱して幸福な人生が切り開けることを、
本書では多くの体験事例を挙げて解説しています。

ぜひご一読ください。

 

《目次より》

まえがき

第一章 親の恩と師の恩
親孝行は古いモラルか/人生を左右する教師の恩/養父母の恩に気づいたら/心に刻まれた生命救済の恩/成長期に受ける無限の愛

第二章 恩と子どもの反抗
子を持って知る親の恩愛/感謝が喜びの働きをうむ

第三章 恩と夫婦
無心に尽くす時、道は開ける/互いの「命」を育む夫婦のまごころ/身近な存在にこそ感謝を

第四章 恩と病
恨む心を捨て難病を克服/縁うすい親の慈愛にふれ立ち直る/受け継いだ血を純化してわが子へ

第五章 恩と事業
母の恩に気づいて局面打開/墓前の誓いで繁栄をつかむ

第六章 恩と大自然
暑さ寒さは天の恵み/水満ちる惑星-地球/緑の危機は人類の危機/水は生命を潤す/足元を支える道を清める/母なる大地に抱かれて

あとがき

 

 

本書は倫理研究所ホームページ内

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