倫理の本棚ブログ

倫理研究所の出版物をご紹介します。

丸山敏雄の霊魂観

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丸山竹秋著
新世書房/定価¥900(税込)
新書判 256頁

 

著者は、倫理研究所創立者・丸山敏雄の遺した数多の論文や短歌、
手紙や誓詞文などを対象に敏雄の「宗教観」について研究し、
その成果を論文として、月刊誌『倫理』等で発表してきました。
本書は、その宗教観の中に潜在する「霊魂観」を探ることを目的に、
同じく『倫理』誌上で発表してきた論文に加え、
敏雄が熟読し、研究の一助としていた書籍や古典資料を、
改めて調査・研究した内容を補説してまとめた一冊です。

  

 丸山敏雄は「科学に立脚し、宗教に出入する倫理」を唱導したのであるから、その「宗教に出入する」面のみを見れば宗教ではないかと目されるのも無理はない、だが反対に「科学に立脚する」面のみを見れば科学であると目されよう。要は片面のみを見ずに、全体を見ることが丸山敏雄の全体像を理解する上には必須なのである。 

 もともと一般に倫理というものは本質的に宗教や哲学と関係が深く、たとえば仏教倫理とか、キリスト教倫理、倫理哲学(倫理学)といった表現もあるのである。また科学とも無縁ではない。(中略)丸山敏雄の唱導した倫理は、さらに広い意味において科学と宗教をつなぐような、意義の深いものであるので、本当はなるべくその両面にわたるところを見て、理解されるべきである。(「まえがき」より)

 

霊魂といえば、
ただちに宗教と結び付けて考えるのが一般的な見方かもしれません。
また、現代において宗教といえば、一部の邪教のようなものを連想し、
ただちに拒否反応を示す人も少なくないでしょう。


しかし、古典や古代史に綴られた霊性や奇蹟の数々、
伝承されてきた多くの神事や祖霊祭をみれば、
我が国の歴史や伝統が、
霊魂や宗教と深く関わりながら刻まれてきたことは明らかです。


丸山敏雄が発見・唱導した、
よりよく生きるための生活法則である“純粋倫理”。
この特質をより鮮明にする上で、
欠くことのできない宗教観・霊魂観に迫る本書は、
歴史研究の立場から霊的な事象と対峙し造詣を深めていった丸山敏雄の、
徹底的な探求の跡を繙きます。

 

《目次より》

1 霊魂と幽界
2 迎霊の道
3「信」と霊魂
4 霊魂と直観
5 霊魂と祖先神と物
6 霊魂体系と悟り
7「一」と霊魂
8 言霊思想と実践
9 言霊の実践体験
10 霊的直観に基づく指導
11 霊魂研究の基本姿勢

 

本書は倫理研究所ホームページ内
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