倫理の本棚ブログ

倫理研究所の出版物をご紹介します。

答えはあなたの掌の中に 生活倫理相談ガイドブック

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丸山敏秋著
新世書房/¥300(税込)
B6判 156頁

 

倫理研究所が提唱する純粋倫理という生活法則は、
「苦難を手がかりにして学ぶ」ところに大きな特色があります。
ただ苦難を解決するだけでなく、
解決のための実践や学習を通して 生活を向上させ、
よりよい人生を築いていくのです。


その際に、大きな役割を担ってきたのが「個人指導」であり、
それを行なうことが許された有資格者が担当してきました。
「個人指導」については、本ブログでご紹介した、
個人指導真剣勝負』に詳しく記されています。


しかしながら、世の中が複雑になるにつれて、
人々の価値観や生活パターンは多様化し、
個人指導では容易に解決できないような、
複雑で根深い問題・苦難が激増してきました。
そうした時代の要請に応えるべく、
従来の「個人指導」制度を改め、
平成17年に「生活倫理相談」制度を発足しました。


本書では「生活倫理相談」の概要をお伝えするとともに、
新しい資格制度がなぜ必要なのか、特色は何か、
従来の指導方法との違いは何かを詳細に解説します。

 

 個人指導においては、どうしても「指導者が苦難を解決する(してくれる)」という意識が、指導を受ける側に強くありました。本来はそうではないのですが、「病気は医者が治してくれる」と似た意識が、傾向として色濃くありました。
 そうではなく、苦難を解決していくのは本人自身である、という意識のもとに生活倫理相談は成り立つのです。受難者が、「みずから気づいて実践する」ことで苦難解決の達成感を満たすようなサポートをするのが生活倫理相談士です。
(略)生活倫理相談においては「○○をしなさい」「△△の実践に取り組みなさい」という指示的応答は極力いたしません。できるだけ本人の「気づき」を引き出すことを第一のねらいとするのです。そのために、従来は強調されなかった非指示的対応を学習し、実習していきます。(第四章「生活倫理相談について」より)

 

 

純粋倫理にもとづき、
いろいろなカウンセリングの理論や手法を援用しながら、
来談者が苦難解決と生活改善の答えをみずから見出すことをサポートするのが「生活倫理相談」です。

また「個人指導」が会員限定で行なわれたのに対し、
「生活倫理相談」は、未会員であっても会員の紹介があれば受けられるなど、 より多くの人々の生活向上に寄与する、開かれた「生活サポート活動」です。

本書は、これから資格取得にチャレンジする会員必携の書であるとともに、
未だ「生活倫理相談」をご存知でない方々にも、
その意義や目的を分かりやすくお伝えします。
ぜひご一読ください。

 

《目次より》

第一章 個人指導の特色と問題点

 1.個人指導の誕生
 2.個人指導が成り立つ条件
 3.個人指導の問題点

第二章 心の学問と技法に学ぶ

 1.純粋倫理は心の生活法則
 2.カウンセリングから学ぶこと
 3.三つの心と人間関係―交流分析(TA)に学ぶ

第三章 自己受容と他者受容

 1.自分をいかに受容するか
 2.アクティブ・リスニングのすすめ
 3.ちょっとした応答で会話が変わる

第四章 生活倫理相談について

 1.倫理運動における新しい資格の意義
 2.新しい資格の内容
 3.生活倫理相談・Q&A

 

※本書の内容に加筆・修正を加えた『苦難は幸福の門-生活倫理相談ガイドブック』が平成28年5月2日に発売されました。それをもって、本書は絶版となりました。

 

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