倫理の本棚ブログ

倫理研究所の出版物をご紹介します。

青春の倫理

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丸山敏雄著
新世書房/¥1,000(税込)
B6判 184頁

 

「われ、一家繁栄愛和の中核たらん、一国再建和楽の柱石たらん、世界永遠平和の使徒たらん」。
この「青年三訓」は、
著者が青年に寄せた大志の有り様です。
倫理運動の創始者・丸山敏雄は、
青年をこよなく愛し、青年に大いなる希望と期待を抱き続けました。

本書は、昭和29年11月に刊行されました。
スマホもゲーム機もない時代で世相は今と大きく異なりますが、
「青年に向けた熱きメッセージ」は、色あせることなく、
現代の若者に大きな示唆と希望を与えてくれます。

 

 これまでの日本の、なりたち、しきたり、いろいろの事、いろいろの物について、「これがよい」「これがわるい」と、ハッキリきめ得る者は誰であろうか。

 ただ青年だけが、けがれない耳をもっている、正しい目がある。青年が本気になって祖先以来の日本の在り方をふり返って見、これからの先々の事を心配する時、日本の今の有り様が鏡に写したようにハッキリと分かってくる。まず自分のこれまでの事を充分ふり返ってみて、欲得をはなれて物を見、事にあたれば、きっとその善悪、正邪がはっきり分かるであろう。(中略)

 かくて青年は、革新の原動力となり、新世の柱石となるのである。

(「青年よ、足下を掘れ」より)

 

心が揺れ動き、悩み苦しむのも青春時代の大きな特徴と言えるでしょう。
劣等感に悩む、自分の環境を嘆く、将来に希望がもてない、
恋愛に苦しむ……。
二の足を踏んで前に進めない若者の背中を著者は時に優しく、
時に力強く押してくれます。

 

 青年諸君! 諸君は他に比べることのできない天下一品の肉体と世上無比の心をもって世に生まれた。その個性は、磨けば伸ばせば、際限もなく大きくなる己である。これと定まった運命に閉じられていると思うのは、己のからにとじこもった盲目、ひがめである。

 自分の力は、無限である。世の中は広い、道はいくらでもある。何をくよくよしているのか。

 志のあるところに、道が開ける。希望のあるところに、光がさす。太陽が昇れば、夜があける。熱がさせば、湿気はかわく。

 心に太陽をかかげよ。

 希望は心の太陽である。

(「希望」より)

 

他にも、希望、個性、仕事、娯楽、
結婚、男女の役割、性についてなど、丹念に綴った本書は、
多くの青年に、勇気と、希望と、活力を、与えてきました。

悔いのない人生を思うとき、壁にぶつかったとき、
大きな不安にさいなまれたとき、本書を開いてみてください。
一筋の光明が差し、解決の糸口が見つかるはずです。

 

《目次より》

青年よ、足下を掘れ
守れ紅の血を
娯楽の倫理
希望
若い世代に
喜ばす生活、困らす生活
生命
性の倫理
働くということ
青年よ大志をいだけ
対立の原理

 

本書は倫理研究所ホームページ内、

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