倫理の本棚ブログ

倫理研究所の出版物をご紹介します。

新世(2016年6月号)

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倫理研究所/¥200
A5判 112頁


月刊『新世』は生涯学習総合誌です。
「なごやかな家庭をつくる」を柱として、
生活の指針を示す「新世言」、
苦難は幸福の門を実証する「体験記」や、
若い両親向けに「わくわく子育て」などを掲載。
家族や親子のつながりを考え、
地域や職場の人間関係をよりよくするヒントをお伝えします。

6月号の特集は、「結婚①―夫婦のスタート」です。
日本の人口は約1億2千万人。
そのうち結婚適齢期といわれる二十代から四十代は4,600万人余りです。
数多の人々が暮らす中で、縁あって出会い夫婦となったのは、
まさに奇跡といっていいでしょう。
さらに、男性と女性という対立した性が一つになって夫婦になると、
一人ではできないことが生み出されていきます。

結婚とは、夫婦にとって新たな人生のスタートです。
よりよいスタートを切るために、
また、末永く中睦まじい夫婦となり、
幸せな家庭を築いていくにはどうしたらいいのでしょうか。
本特集ではそのポイントやヒントを提示します。

 

 これまでとは全く違う家庭環境で育ってきた二人が一緒に暮らすわけですから、食事の味付け、子供の教育、物事の受け止め方や考え方の相違があるのはむしろ自然です。その発見を楽しむのも大切ではないでしょうか。
 交際している時は素直に言える「ごめんね」が、結婚して一緒に暮らし始めると、なかなか言えず、〈自分が悪い〉と思っても、意固地になってしまうこともあります。(中略)
 お互いに譲り合い、合わせる部分が必要になってくるわけです。自分の感情はいったん抑えて、まずは相手を受ける姿勢が双方に必要ではないでしょうか。夫(妻)は、自分を磨いてくれる砥石ともいえましょう。(「まとめ」より)

 

性格の違う二人が支え合い、自分を磨き高め合う。
そこに結婚における新しい発見と喜びがあることを、
倫理研究所の会員3名による「体験レポート」を通してお伝えします。

丸山敏秋理事長による巻頭言「新世言」では、
「禍を福に転じる」と題して、
「失敗は成功のもと」であり苦難の奥には幸福が待ち構えていることを、
映画監督のスピルバークの体験や『史記』を例にわかりやすく述べています。
連載6回目となる「わくわく子育て親育ち」では、
日常の子供への躾を取り上げ、
“褒め育て”と愛情込めた“叱り”のバランスについて解説します。

若い世代から高齢者まで、
幅広い読者の方々にご愛読いただいている『新世』を、
ぜひご一読ください。

 

《目次より》

巻頭言
・新世言「禍を福に転じる」丸山敏秋(倫理研究所理事長)

巻頭連載
・気と骨―歩み続けるひとびと[75]-藤麻功氏(85)(フジマグループ会長)

特 集
・結婚①―夫婦のスタート

  体験レポート
  ・けじめの式と新たな誓い
  ・「これがよい」を生活の指針として
  ・富士山麓のセミナーで生まれた、えにし

連 載
・つなぎ、拡がる倫理運動[24]-「教育創生フォーラムin御殿場」
・明日へのエール[18]-「ルーツを辿り、祖先との繫がりを意識しよう」
・わくわく子育て親育ち[6]-「褒め育てと愛情込めた叱りのバランスを」
・にっぽん名勝紀行[6]-「悠久の森」山梨勝弘(風景写真家)
・摘んで、味わう野草帖[6]「ツユクサ」「ドクダミ」岡 田恭子(料理研究家)
・世界一期一会[6]-「インドそのⅢ」三井昌志(写真家)
・心の摘み草[436]-「美しい手とは」浜 美枝(女優)
・昔むかしの物語[18]-「狼の眉毛」すずき大和(絵本作家)

 

定期購読及びバックナンバーも購読できます。

倫理研究所ホームページ内

倫理の本棚(オンラインストア)」よりお申込みください。

~丸山敏雄のふるさと~ 天和ガイドブック

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倫理研究所
倫理研究所発行/定価¥500(税込)
B6判 64頁

 

倫理運動の創始者・丸山敏雄は、
福岡県上毛郡合河村天和(現在の豊前市天和)に生まれました。

豊前市は、北は瀬戸内の周防灘に面し、
南は奇勝・耶馬溪に隣接する海と緑に囲まれた自然豊かな田園都市です。
「天和」は江戸時代前期の天和年間に開墾された里で、
丸山敏雄の祖先はその当初から定住していました。

なだらかな傾斜に田畑が広がり、その先に流れる岩岳川からは、
豊前の象徴である霊峰・求菩提山を眺めることができます。

平成17年、倫理研究所の創立60周年を記念して、
丸山敏雄の生家が天和に復元されました。
それを機に制作された本書では、
日本の原風景を留める「天和」の魅力を、
丸山敏雄のエピソードを通してお伝えします。

 

 若くして郷里を離れ、久しく帰郷を果たせなかった敏雄が、昭和二十年の晩秋から初冬にかけて、十数年ぶりに故郷の土をふんだ。その時に綴られた『訪郷記』によるならば――。

 

 岩嶽川に沿うて上る水は美しい。

 山々も清く、秋の紅葉が美しい。とりわけ櫨の紅は燃え立つやうに赤く、血しほのやうに紫だったのもある。

 皆、昔のまゝの山であり、畑である。

 

 ひさゝに訪ふふるさとは山川のさやかにはれて祭のたいこ
 人のいふ言の葉ごとにしたしけれ昔ながらの国なまりかも
 幼き日のたゞさながらによみがへるおくになまりやまつりのたいこ
 ふるさとは山も畑も村人もたゞさながらに生きつゝはをり

(第3景「ここに桃源郷あり」より)

 

丸山敏雄とゆかりの深い旧跡や神社仏閣、
豊かな自然や歴史のぬくもりを、
豊富な写真と案内文で紹介する、
周辺マップの付いたガイドブックです。
探訪の供として、
また「人間・丸山敏雄」に触れる導入本として、
ぜひご活用ください。

 

《目次》

ふるさとを詠む(丸山敏雄)

第1景 ゆたかなる国 ― 豊前
第2景 天狗が迎える駅 ― 宇島駅
第3景 ここに桃源郷あり ― 生誕地
第4景 フクロウが宿る宮 ― 合八幡神社
第5景 感恩感謝の原点 ― 天和池
第6景 霊と魂かよいあう境 ― 丸山家墓所
第7景 “こころの山”の薫り ― 求菩提山
第8景 ウナギ釣りのときめき ― 岩岳
第9景 「常居其全」の学び舎 ―合河小学校跡
第10景 神への祈りの祭 ― 清原
第11景 天女が舞う岩 ― 岩洞窟
第12景 新婚の住みか ― 夕照山

丸山敏雄生家復元によせて 

 

本書は倫理研究所ホームページ内
倫理の本棚(オンラインストア)」で販売しています。

書道藝術

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丸山敏雄著
新世書房/定価¥2,500(税込)
A5判上製 354頁

 

著者は17歳の頃から書の世界に親しみ、
生涯にわたり一日一回必ず筆を持つことを実行し、
それを他人にも勧めてきました。
昭和13年には「秋津書道院」を興し、
書道の教授として指導をする傍ら、
書友の更なる飛躍を願い、書き下ろしたのが本書です。

 

書道は私にとっては、いわゆる専攻の題目ではありません。しかし、少年の頃以来、一日としてこれと離れることができず、数十年来、熱愛を続けてきた生活の糧であります。まことに書の芸術境こそは、至高至楽、去らんと欲するも能わざる美の奥境であり、書道は人生の美的境涯に透徹するの大道であります。

本書は、書を学ばんとして良師を得ざる同好の友の為に、数年にわたって所信を講じたものであります。従って、書道に入るための一通りのことは、こまごまと述べるに努めました。(「序」より)

 

本書は芸術としての書の奥境を探究し、
修練による心の浄化・向上をめざす人々に向けて、
書道に向かう心構えから、姿勢、文房四宝の扱い、
筆順や筆法から、作品創作への道程までを懇切に詳述しています。

 

上達の秘訣が、ただ一つあります。それは「勉強すること」で、そのほかに何もありません。その勉強の方法に、二つの方向があります。一つは書くことで、他の一つは観ることであります。そして、この両方面を毎日続けていけば、必ず、年月を経ずして、著しい飛躍的な進歩を致します。〔中略〕とにかく毎日、十分でも二十分でも、必ず、お習字の時間をとることです。一日に一回は必ず筆をもつということです。(「第一章 生活と書道」より)

正しい心は、正しい姿勢にのみ保たれるものでありまして、ふしだらな、しまりのない卑俗な姿勢には、正しい美しい心の宿りようがありません。ねそべったり足をなげ出ししたりしては、しっかりした緊張した心、やさしく美しい優雅な心はもたれません。これと反対に、少し心がみだれていましても、姿勢を正すと、おのずから心も正されてくるものであります。

正しい、高雅な、また優しく、うるおいのある人でなければ、よい文字のできないゆえんはここにあります。(「第二章 姿勢と執筆」より)

一道に達した人たちが、その用具を大切にしたごとく、書道に志す者も、第一、その用具を大切にしなければなりません。

そして用具への愛着、たしなみは、進歩の度と正比例して向上してくるものであります。筆や紙を粗末にし、ぞんざいに取り扱うものに、まず能筆家は無いと申してよいでしょう。そんな心掛けでは、けっしてゆかしさのみちあふれた、味のある書が生れてくる道理はありません。

その人の用具に対する、優にやさしい心掛けそのままが、書の気韻となり雅致となって、表現されるものであります。(第三章「筆」より)

 

「行きづまりこそ、大成の基。壁一重のところに進歩がまっている」と、
会友を教え導き励ましながら、また自ら研鑽の日々を楽しんだ著者。

本書では書道の妙境をあますところなく伝えるべく、
書道にまつわる全てにおいて、心の練磨を重視し詳説しています。
単なる技法の手引きではなく、
著者の謦咳に触れることができる一冊です。

 

古人は「書は心法なり」と申しました。法とは、のり、真理、そのままのもの、まざり気も、かげもない、純粋無垢というほどの意味でしょう。世に書家といえば、ただ技巧のうまい人をいいがちでした。しかし技巧は、いつまでたっても技巧以上に出ません。心を深め、人がらを高めなければ、ほんとうの書をかくことはできません。(中略)

書は心です。人がらです。手先のきようさではありません。しかしそれは、書の一番奥を申したのであって、始めはそのもとになる、姿勢・筆法・結体・布置・脈絡・ちらし・つづけ方など、美しさの法則をしっかりつかむように、けいこせねばなりません。(第四篇 補遺 書道随感「書は心」より)

 

 

《目次より》

第一篇 基本
第一章 生活と書道
第二章 姿勢と執筆
第三章 筆
第四章 紙
第五章 硯
第六章 運筆法
第七章 用筆法
第八章 基本練習について
第九章 筆意・筆順
第十章 間架結構法
第十一章 行書法
第十二章 草書の本質
第十三章 芸術としての仮名書道
第十四章 仮名文字の説(その一)
第十五章 仮名文字の説(その二)
第十六章 仮名連綿体について
第十七章 変体仮名について

 

第二篇 鍛錬

第十八章 手紙の書き方
第十九章  条幅の書き方、落款・印章
第二十章 額の書き方
第二十一章 色紙・短冊・扇面の書き方
第二十二章 学書三燈(一)
第二十三章 学書三燈(二)
第二十四章 学書三燈(三)
第二十五章 書道上達の秘訣
第二十六章 行きづまりと型にはまること

 

第三篇 奥境

第二十七章 臨書について
第二十八章 書論について
第二十九章 和様と唐様
第三十章 書の鑑賞(その一)
第三十一章 書の鑑賞(その二)
第三十二章 愛書の説
第三十三章 何が為に書道を習うか
第三十四章 書道芸術と婦人
第三十五章 空所と書道
第三十六章 芸術書道
第三十七章 書道の奥境

 

第四篇 補遺 書道随感

 

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