倫理の本棚ブログ

倫理研究所の出版物をご紹介します。

新世(2016年8月号)

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倫理研究所/¥200
A5判 112頁

 

『新世』は生涯学習総合誌です。
毎月、家族や親子のつながりを考え、
家庭・職場・地域の人間関係をよりよくするヒントをお伝えしています。

8月号の特集は「夏休みの親と子」です。
子供たちにとっては、待ちに待った夏休みです。
〈さぁ、いっぱい遊ぶぞ!〉とはやる気持ちを抑えきれず、
宿題や家のお手伝いなどを疎かにしがちな子供の姿に、
つい苛立ってしまう親御さんも少なくないのではないでしょうか。

そこで本特集では、
2名の体験レポートと、
富士教育センターでの夏期の青少年セミナーを紹介しながら、
夏休みを迎える子供たちとの向き合い方について、
また、子供の自主性を培う“夏休みの家庭教育のあり方”についてお伝えします。

 

 子供の教育で大切なのは、お父さん、お母さんが「して見せる」ことです。どんなに言って聞かせても叱っても、なかなか通じないことが少なくありません。しかし、親がしていることはその通りに真似をします。〔中略〕

 「勉強しなさい」とどんなに口酸っぱく注意しても、なかなか効果は表われないでしょう。例えば、お母さんは裁縫したり、パソコンで資料を作ったりしながら、「これがお母さんの夏の宿題よ。○月○日までに仕上げるの」と伝えてみましょう。そうしているうちに、子供は〈ママに負けてはられない〉と、宿題に取り組むようになります。(「夏休みの家庭教育」より)

 子供自身の力で物事を成し遂げる体験は、将来的にも貴重な経験です。しかしそれを経験させるには大人の意識が切り替わらないと難しいんです。

 子供が答えを見つける前に答えを与えたほうが、何だか手っ取り早くて得な感じがする時代です。しかしだからこそ、うまく行かなくても手を出さず、子供を信じて励まし、子供自身が解決していく体験ができるセミナーにしたいと思っています。(「富士研の青少年セミナー」より)

 

夏休みは子供が一回り大きく成長するチャンスです。
そして、親と子供が接する時間が長いからこそ、
親子の絆をしっかりと結び、深めるチャンスでもあります。
ぜひ本特集でお伝えするポイントやヒントを活用して、
有意義な夏休みをお過ごしください。

連載では、生活の指針を示す「新世言」や、
苦難は幸福の門を実証する「体験記」、
読者からの相談に答える「こちら生活相談室」などを掲載。
「つなぎ、拡がる倫理運動」では、
金沢で開催された「教育創生フォーラム」をレポートしています。

また、今月号では、
5月28日に熊本市で開催された「くまもと元気モーニング」より、
2名の震災体験談をお伝えします。
未だに地震が頻発し、気が抜けない状況の続く熊本ですが、
現地で被災された方々の生の声は、
地震と向き合い、備えるうえで多くの示唆を与えてくれます。
ぜひご一読ください。

 

《目次より》

巻頭言
・新世言「死は生なり」丸山敏秋(倫理研究所理事長)

巻頭連載
・気と骨―歩み続けるひとびと[77]-関島登氏(92)(水ひき工房せきじま)

特 集
・夏休みの親と子

  体験レポート
  ・長所を褒め、好奇心の芽を伸ばしています
  ・夏休み中も、普段のままの生活リズム
・夏休みの家庭教育「自主性を培うヒント」
・富士研の青少年セミナー「赤富士やご来光、満点の星を仰ぐ。夏休みだからこそ、日常と違う体験を」

連 載

・明日へのエール[20]-「日本の伝統文化を守り、後世へつなげよう」
・にっぽん名勝紀行[8]-「盛夏の大地」山梨勝弘(風景写真家)
・摘んで、味わう野草帖[8]「ヒルガオ、ホタルブクロ」岡田恭子(料理研究家
・世界一期一会[8]-「インドその5」三井昌志(写真家)
・心の摘み草[438]-「弱点を知り、その上で」岸本葉子(エッセイスト)
・昔むかしの物語[20]-「ゴロ吉とタゴ作」すずき大和(絵本作家)
・思い出オルゴール[113]-「この世の花」
・味力ある一冊[42]-「鎌倉駅近くの、忘れられないカツ丼」増田明美(スポーツジャーナリスト)

 

定期購読及びバックナンバーも購読できます。

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苦難は幸福の門-生活倫理相談ガイドブック

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丸山敏秋著
新世書房/¥1,000(税込)
B6判 216頁
ISBN978-4-908490-00-2

 

本書は、以前に本ブログでご紹介しました、
答えはあなたの掌のなかに―生活倫理相談ガイドブック』の内容を踏まえつつ、大幅な加筆修正を加えて刊行されました。

純粋倫理という生活法則にもとづき、
いろいろなカウンセリングの理論や手法を援用しながら、
来談者が苦難解決と生活改善の答えをみずから見出すことをサポートするのが、
本書がガイドする「生活倫理相談」です。
生活倫理相談士(相談士)が、
純粋倫理の学びと実践の支柱である苦難観を正しく理解していることはもちろんですが、来談者もまた苦難観をよく理解していれば、
よりスムーズに倫理実践に取り組めることでしょう。

そこで、本書では苦難観(苦難は幸福の門)を詳説しながら、
生活倫理相談の要諦を余すところなくお伝えします。

 

 欲張って知識だけを身につけても、実践が伴っていなかったら、飾り物が増えただけで、生きた知恵にはなりません。「いざ実践!」の契機になるのが、さまざまな苦難です。

 苦難は幸福の門。

 その真の意味の理解は、生活倫理相談を受けて実践することで深まるでしょう。また生活倫理相談士の方々は、「まことの働きにより、人を助け、人を救い、人の喜びをわが喜びとする」(『万人幸福の栞』第十条)という境地を実感できるに違いありません。(「はじめに」より)

 第一は、「苦難に真正面から向き合う」こと。苦難に見舞われるとどうしても及び腰になります。辛ければ辛いほど、逃げ出したくなり、早く解決したいと焦るでしょう。心は落ち着かず、自分の置かれている状況が見えなくなってしまいます。そのような姿勢を改めるのです。

 第二のポイントは、「苦難の本質を見極める」こと。すなわち苦難に対する正しい理解と認識を持つことです。

 そして第三は、「一つひとつ正しく切り開いていく」こと。これは確かな実践に挑むということです。理解はしても行動に移さなければ、状況は何も変わりません。(「第一部 生活倫理相談の概要」より)

 苦難に見舞われると、辛さ苦しさで心はうち湿った状態になってしまうでしょう。そこで思いきって気持ちを切り替え、「きっとよくなる」と、未来に対して希望を抱くのです。するとその明るいプラスの気持ちは、うち湿った心の感情を相殺させて、心は「0」の状態に置かれます。それを「0化」と呼びましょう。

 そうなるとそこに、大自然の「生成発展」の力が作動します。「よりよくなる」方向に物事を推し進める宇宙意志です。事はおのずから望む方向へ進んでいくでしょう。「0」の状態の心(心境)、それが「純情(すなお)」にほかなりません。『万人幸福の栞』十二条の「捨てる」こと、十六条「ささげ尽くす」ことも、自分を「0化」することに通じます。世の中で真に成功した人、偉大な働きをした人はみな、「0化」によって大きな力をキャッチしたのです。(「第三部 狭き門より入る」より)

 

第二部「聴く力を養う」で詳説している「アクティブリスニング」は、
家庭や職場、日常生活においても大いに活用したい実践です。

これから資格取得にチャレンジする方々必携の書であり、
また、すでに相談士の資格を得ている方や、
これから「生活倫理相談」受けようとする方々にも、
ぜひともおすすめしたい一冊です。

 

《目次より》

はじめに

第一部 生活倫理相談の概要
 第一章 苦難観の理解を深める

 第二章 個人指導から生活倫理相談へ
 第三章 生活倫理相談とは何か

第二部 聴く力を養う
 第一章 心の法則とカウンセリング

 第二章 アクティブリスニングの意義

第三部 狭き門より入る
 第一章 明朗の極意

 第二章 「捨てる」生活
 第三章 「いま・ここ」に生きるために

おわりに

 

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「心を探る」生き方リサーチ② あなたも私も継承者

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倫理研究所
倫理研究所発行/定価 ¥500(税込)
B6判変型 60頁

 

かつての日本では、
「家」は祖先を尊び、脈々と受け継がれてきた「系」を重視するものでした。
ところが、戦後、西洋型の個人主義が広まったことで、
日本人の「家」に対する意識は大きく変わりました。
「私(個人)の自由」が優先されたことにより、
一人ひとりが「家」に縛られずにやりたいことをやり、
生きたいように生きるのが望ましいという風潮が生まれました。

一方そうした風潮にともない、
伝統文化や伝統工芸、農業、事業、家業などにおける、
後継者問題が深刻化しています。
現代の日本における「家や家業、家督の継承」は、
実際、どのような状況を迎えているのでしょうか。

本書は、「家の継承」について、
いまの日本人はどう考えているのか、
「誰が」「何を」継ぐのだと思っているのかを検証すべく、
2,400人へのアンケート調査を実施し、
その結果を考察したものです。

例えば、「家は誰が継承するのか?」については次のような結果が出ています。

【親世代/子世代】
長子・長男・長女・子供………44.3% / 39.6%
男子・長男・息子………………41.7% / 51.0%
自分・私…………………………8.6% / 5.1%
その他……………………………5.4% / 4.4%


また、「家は何を継承するのか?」では次の結果となりました。

【親世代/子世代】
家屋・土地・不動産・財産…………39.7% / 28.6%
家業・仕事・店・商売………………15.2% / 32.3%
墓・仏壇・仏具………………………12.7% / 6.9%
家系・家督・血筋……………………9.5% / 3.2%
名前・苗字・氏・姓…………………9.0% / 12.9%
伝統的なもの・先祖からのもの……4.8% / 3.8%
親の面倒………………………………0% / 3.6%
その他…………………………………9.6% / 8.6%


親世代、子世代ともに「家は子供が継ぐ」が一般的な認識であり、
〔家屋・不動産・財産〕などの「有形資産としての家」が、
多くの日本人が考えている相続の対象のようです。

ところが、〔家系・家督・血筋〕と、
〔名前・苗字・氏・姓〕という項目では数値が逆転していることから、
家系や家風といった「無形資産としての家」への思いには、
世代間で差異があるようです。

本書では他にも、
「継承という認識はどこから来るのか?」
「家は継承すべきか否か?」
などのアンケート結果を検証するとともに、
体験事例を挙げながら「継承問題の今」を考察しています。

「継がれる家」の実態と「継ぐ私」のその思いを調べていくと、
少子化や晩婚化、多様化するライフスタイルなどにより影響を受けるも、
「家の継承」とは、大切なものを後世に引き継ぐことであり、
すべての人に課せられた役割であることに気づかされます。

ぜひご一読ください。

 

《目次より》

プロローグ
 継がれる家。継ぐ私。

2,400人の日本人に継承について聞きました
 
家の継承とは何か?

 家は誰が継承するのか?
 家の何を継承するのか?
 継承=相続という認識はどこから来るのか?
 家は継承すべきか・否か?
コラム
 継承意識のいま

 「継承意識」はどう作られるか

体験事例に学ぶ「継承問題」
 
夫婦がひとつになって成就した「家と事業」の継承

 結婚19年目にして夫が養子縁組となった経緯
 「継承」への執着を手放したら、事態が好転

談話
 継承の大切なポイント
コラム
 型を継承する

エピローグ
 あなたも私も継承者

 

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